「持続可能な社会建設のための5つの手段」

「限界を超えて」ダイヤモンド社より

参照ローマクラブ・レポート『成長の限界』続編

1.ビジョンを描くこと
 自分が本当に望んでいることを、可能性の有無や、不信、過去の失望の経験等のすべての制約を捨てて、強く強く思い描くこと。新しい社会システムを築くには最高のビジョンが必要。このビジョンを確立することこそ未来への萌芽。

2.ネットワークをつくること
 非公式なネットワークこそ、新たな情報の発信源であり、新たな社会システム構造を芽から大樹に成長、発展させる可能性を持つ。また、能動的なネットワークは、そのメンバーに自分は一人ではないということを自覚させ勇気を与える。固定的な役職、立場にとらわれるのではなく、生涯の同志としての絆の自覚を!

3.真実を語ること
 嘘は情報の流れを歪め、社会を歪める。逆に、誤った情報に対抗する意見を発信すればするほど、その社会は暮らし易い社会になる。


 「未来への警告」は破滅の予言であるという撤底的な悲観論は嘘であり、逆に単なるコンピュータのお遊びだという威勢ばかり良い楽観論も嘘である。


 真実は、「別の道を歩め」ということ。厳しいけれども世界の現状を見つめ、より良い未来へのビジョンを目指す勇気を持ち、建設の努力を続けること。

4.学習すること
 権威があるように装っている指導者(政治家のこと)も現在の厳しい状況を十分理解していない。そして大部分の大衆は指導者にすべての答を期待し、指導者は答をすべて持ち合わせているふりをしている。


 この誤ったシステムでは大衆には指導力が育たず、指導者には学習能力が育たない。自ら真実を学習し、共に学習する輸を拡大し、また自ら社会の指導者としての自覚を持って立ち上がらねばならない。

5.愛すること、思いやりの心を持つこと
 人間に対する悲観論、不信感こそが現在の社会システムの最大の問題。これが持続不可能な社会の原因。持続可能性革命とは、人間の中に眠る最も良い部分が育てられ、表面に現れることを可能にする社会的変革。